5月の伝道掲示板

悩みの種は

  つきないが

悩みをこえる道は

  開かれてある

 

覚法寺だより 第57

 

遅咲きの桜も散りさつきやつつじが見ごろを迎えています。一年で最も過ごしやすい季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 さて、今月は宗祖親鸞聖人お誕生の月です。5月21日には、本山をはじめとして各寺院に於いて降誕会(ごうたんえ)がお勤めされます。

 

 親鸞聖人は、御年9歳で出家得度されその後20年に亘って比叡山での厳しい修行に勤しまれました。それは、生死の迷いを離れ自らの苦悩を超えて悟りに至るために煩悩を克服しようとする道でした。ところが、修行に打ち込めば打ち込むほど湧き上がる煩悩を如何ともし難いことに気付かれたと言われています。そのころのご心境を存覚上人(ぞんかくしょうにん・三代覚如上人の子)は、嘆徳文の中に「定水(じょうすい)を凝らすといえども識浪(しきろう)しきりに動き、心月(しんがつ)を観ずといえども妄雲(もううん)なほ覆う」(風が止み、波がおさまり、鏡のように静まりかえった池の面には周囲の景色が歴然と映る。妄念がおさまった心水には、秋の空に爽やかな月を見るように如来は姿を現されると経典には説かれている。しかし実際に修行をしてみれば、心は愛欲や名利の煩悩にかき乱されて片時も静まることはなく、妄念の黒雲に覆われた心は清らかな如来を拝見するすべもない。・梯實圓和上著 親鸞聖人の生涯より)と記されています。

 

その後29歳で比叡山をおりられ、六角堂百日の参籠の後、法然(源空)聖人を訪ねられます。そして、降る日も照る日も法然聖人のもとに通われ、煩悩に振り回され苦悩するものを救わずにおれないと、お念仏を往生の行と選び定めてその救いを永劫のご修行をかけて既に完成された阿弥陀様のご本願におまかせすることが、誰もが平等に速やかに生死を超えて悟りに至る唯一の道であることを聞きぬいていかれたのです。

 

 阿弥陀さまのご本願は、こちらから求めるより先にすべての人に届けられています。この私こそが、お救いのお目当てであることをごいっしょにお聞かせいただきませんか。覚法寺では、毎月法話会を開催しております。どうぞお参りください。

 

島根覚法寺では、5月27日に伝灯奉告法要(本山)に参拝いたします。東京分院でも同じ日に参拝を予定しております。参拝ご希望の方は、5月20日までにご連絡を下さい。

 

また、6月4日の落慶法要にも是非お参りくださいますようご案内申し上げます。

 

                                 合 掌

 

    平成29年5月