4月の伝道掲示板

それぞれに 特色あり

 花の優しさ 雑草の根強さ

 

   覚法寺だより 第56号

 

 桜の開花とともに4月を迎え春たけなわとなりました。また、入学式のシーズンでもあり皆様の中にもお子様やお孫さんが入学あるいは、新社会人としてスタートされる方もいらっしゃるでしょう。新生活が楽しい学びの場、活躍の場となりますことを念じ、心よりお祝いを申し上げます。

 

さて、色々な花が咲き誇る中、この時季の代表的なお花が「チューリップ」です。そして、誰もがよくご存じの童謡に「チューリップ」という歌があります。

咲いた咲いた  チューリップの花が

    並んだ並んだ赤白黄色

              どの花見ても きれいだな」

幼いころからよく歌い耳にしてきた童謡です。

 

私たちは、果たしてこの歌のように「どの花見てもきれいだな」と感じられるでしょうか。もしかすると、どの花もきれいではあるけれども「私はとくに赤が好き」「黄色はあまり好きではない」などと自分の価値観で順序を付けてはいないでしょうか。花だけではありません。全てにおいて好き嫌い、損得、自分にとって都合が良いか悪いか等で分け隔てをしているのではないでしょうか。

 

仏説阿弥陀経には、「池中蓮華(ちちゅうれんげ) 大如車輪(だいにょしゃりん) 青色青光(しょうしきしょうこう) 黄色黄光(おうしきおうこう) 赤色赤光(しゃくしきしゃっこう) 白色白光(びゃくしきびゃっこう) 微妙香潔(みみょうこうけつ)」(池の中には車輪のように大きな蓮の花があって、青い花は青い光を 赤い花は赤い光を 黄色い花は黄色い光を 白い花は白い光を放ち、いずれも美しく、その香りは気高く清らかである)と説かれています

 

お浄土の荘厳は、いのちの本来のあるべき姿を指し示し、阿弥陀様は、一人ひとりが輝けるいのちを生きているはずなのに知らず知らずのうちにそれを阻害し合い、常に何かと比較して優劣をつけ、競い合っては一喜一憂している私のありかたを悲しまれ、「自分の花を咲かせ、いのちを輝かせて生きてくれよ」と願いお念仏となってくださいました。

 

阿弥陀様のお心を聞かせて頂きお念仏申すところに、「ともにいのち輝く世界へ」向かって、私が私であってよかったと、いのちを輝かせて生きることができ、他のいのちの輝きを尊ぶことができるのだと思います。

 

覺法寺では、毎月法話会を開いています。是非お参りください。

                                                        合 掌

 

 

        平成29年4月